ニュースタイルホールディングスでは知見の向上を通じて業務推進力を高めるため、勉強会を行っています。2009年前期での実施では証券取引所の現状や戦略を見てゆきます。

日時:2009年4月23日

場所:株式会社ニュースタイルホールディングス 会議室

主催者:株式会社ニュースタイルホールディングス 代表取締役社長:中村創

以下議事録(コメント並びにテキストより)

--------------------------------------------------------------------- 今回は、前回から取組んでいた量的拡大について更に深いテーマを見てゆきます。 ニュースタイルホールディングスの業務とは直接的に関わらない部分もありますが、投資業務にあたってはあって尚よし、の知識です。 トイレに行きたい方は「ニュースタイルホールディングス」と書いてある入口から見て右手にありますので、自由にどうぞ。

現物市場の厚みの増大

現物市場については、東証は何をすべきでしょうか。

デリバティブ市場を拡大する一方で、現物市場についても、取扱商品の大幅な増加や、市場利用者の利便性・効率性の向上によりその厚みを増大させていく必要があります。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

そのた舶こは、第一に、ETF(上場投資信託)の多様化を推進します。ETFは、その価格が株価指数(TOPIXやEI経平均など)、商品価格、商品指数などに連動するようにつくられ、上場されている投資信託です。一般的に、投資家にとって個別銘柄に投資するよりも低コストでリスクを分散した投資効果が得られる金融商品といわれており、諸外国でも、個人のダイバーシフイケーション(多様化)、リスク分散の商品として高く評価され、活発に取引されています。また、株式と同じようにリアルタイムで売買できることも特徴のひとつです0東証には、TOPIXや日経平均等、国内の株価指数に連動するETFだけでなく、韓国の「KOSPI200(韓国総合株価指数200)」や、中国の「CSI300」、そしてブラジルの「ボベスパ指数」などの海外の株価指数に連動するETFや、商品指数「S&PGSCI商品指数TMトータル・リターン指数」に連動するETF、さらに、商品ETFとして初めて、金現物取引価格の世界標準である「ロンドン金値決め(Londongoldfi]ing)」に連動するETFなどが上場し、取引されています。東証では、2008年末現在、58銘柄のETFが上場されていますが、今後も様々なETFを上場して、商品のラインアップを拡充させていきたいと考えています。2010年度までには、100銘柄の上場を目指し、投資家の多様なリスク選好にも十分に応えることのできる豊富な品揃えを実現していきます第二に、日本及びアジアの企業と投資家にとっての新しいリスク・キャピタル・マーケットを提供するため、プロ向けの新市場「TOKYOAIM」を創設します。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

2008年6月、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が成立し、金融に関する知識を有する特定の投資家、いわゆる「プロ投資家」(特定投資家)に参加者を限定した市場の創設を行う場合、現行の開示規制が免除され、より柔軟な情報提供の枠組みを構築することが可能となりました。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

そこで東証は、ロンドン証券取引所の運営する新興企業向け市場である「AIM市場」(AlternativeInvestmentMarket)の柔軟な規制・制度を参考にし、既存の市場と発想から大きく転換し、リスクテイク能力のある機関投資家や投資のセミプロ的な投資家に限り参加を可能とする市場を、ロンドン証券取引所と共同で創設することとしました。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

さらに、ロンドン証券取引所のAIM市場におけるNOMAD制度をモデルにした「J−NOMAD制度」を導入します。そこでは新規上場申請者について上場基準に株主数や設立経過年数、時価総額等といった基準を設けず、新規上場の際には取引所ではなく、J−NOMADが上場適格性を評価することとなります。また、上場後もJ−NOMADは、上場会社が新市場のルール、とりわけ開示に関する義務を継続的に遵守することが求められます。このように重要な役目を果たすJ−NOMADについては、新市場に上場している間は必ず確保されていなければならず、確保できなくなると上場廃止になります。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

次に、開示書類の様式や言語、会計基準は法定されず、最低限の開示要件を取引所が定めることになります。それにより、外国企業だけでなく日本企業についてもJ−SOXや四半期開示が求められず、外国企業は、単独上場であっても英文開示、国際会計基準や米国会計基準の使用が認められることになります。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

しかし、健全な市場を運営するため、虚偽記載、インサイダー取引に対する規制、大量保有報告制度、TOB制度については現行の上場会社に対するものと同様の規制・制度が適用されます。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

この市場の創設により、東証は、一般投資家を含むすべての投資家が参加する「マザーズ市場」と、プロ投資家のみが参加する「TOKYOAIM」の2つの新興市場を持つことになり、両市場は相乗的な効果を生みながら成長していくことができると考えています。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

第三に、排出量取引市場の創設に向けた取組みを推進します。地球環境問題は、国際社会にとって極めて重要な課題であり、日本においても官民をあげて取り組むべき問題であると認識しています。京都議定書においては、温室効果ガス削減のため、市場メカニズムを利用した「排出量取引」が導入され、日本を含む各国で既に排出量取引が行われており、後、一層の発展が予想されています。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

こうした中、取引所としての立場から可能な限りの貢献をすべく、排出量取引市場の創設に向け、専門家からの実務的なアドバイスを受ける「京都クレジット等取引所研究会」を2008年4月に設置し、取引対象、取引方法、取引参加者、清算・決済といった取引所の制度設計に関する具体的事項について検討を進めています。また、法令・制度の整備等についても、必要に応じ随時捉言・要望を行うことも考えています。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

安全で高性能な取引システムの提供

取引を行うためのシステムは、取引所にとってどういう意味を持つものなのでしょうか。 マーケットを拡大し、競争力を維持・向上していく上で市場インフラである取引システムが果たす役割は大きいと言えます。そこで注文・約定処理の高速化といった市場利用者のニーズを実現するため、システムの機能・能力強化とともに、安定的に取引を可能とする市場インフラを維持・提供していくことは必須です0これに対しては、世界高水準の拡張性、高速性、信頼性、柔軟性及び堅牢性を実現すべく、次世代売買システムの構築を2010年1月の稼働に向けて進めています。また、システムの信頼性を向上させ、市場運営の安定性の一層の向上を図るため、セカンダリセンター(バックアップセンター)の構築にも取り組んでいます。☆株式会社ニュースタイルホールディングス☆

ニュースタイルホールディングス勉強会より